川内原発審査・重大事故対策等政府交渉報告

みなさまへ

 

本日、川内原発の審査について、重大事故対策等について政府交渉がありました。簡単にご報告させていただきます。明日は火山審査に絞った政府交渉があります。明日も引き続きよろしくお願いいたします。誤認等ありましたらご指摘ください。

 

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本日規制庁側は、おそらくはJNESから移ってきた技術者と思われる2名が主に対応しました。井野博満さん、元三菱重工の藤原節男さん、美浜の会の小山英之さんが参加されました。福島みずほ議員も終始参加されました。会場は60名ほどで、会場全体に熱のこもった交渉でした。

 

◆重大事故対策・圧力容器の冷却放棄の問題

 

・大破断と電源喪失が重なるような重大事故において、圧力容器の冷却を放棄し、格納容器に水を張って溶融燃料を受けるやりかたが、基準の要求に反しているのではという問題について、井野さんが、審査書の「国内外の先進的な対策と同等なものを講じても、炉心損傷防止が困難なものがあり、申請者がこれらの事故シーケンスを炉心損傷防止対策における事故シーケンスグループに含めず、格納容器破損防止対策において考慮することにしたことは、設置許可基準規則解釈に則った考え方であることから、妥当であると判断した」という記載について説明を求めました。

 

・規制庁の回答は、規則解釈に1-4「上記1-2(a)の『十分な対策が計画されており』とは、国内外の先進的な対策と同等のものが講じられていることをいう。」とあることを指しているとの説明でした。海外でも同様な想定で、格納容器損傷防止を優先してしているからそれでよいというのです。

 

・この解釈で「1-2(a)」とある中身は「想定する事故シーケンスグループのうち炉心の著しい損傷後の原子炉格納容器の機能に期待できるものにあっては、炉心の著しい損傷を防止するための十分な対策が計画されており、かつ、その対策が想定する範囲内で有効性があることを確認する。」というものです。これが結局、炉心冷却放棄を容認するものなの?疑問が出ました。

 

・また規制庁側は、電源車をつないで注水をする段階で炉心溶融は始まっており、炉心に注水するよりも、格納容器に水をためる方がよいという判断だと。

 

・注水能力を高めて、両方の冷却を行えばよいのではという意見については、炉心への注水は水素の発生など、逆効果の可能性があるとの回答もありました。

 

◆重大事故対策・クロスチェック解析をなぜやらないのか

 

・上記のケースや水素燃焼を含めて、重大事故の事故解析において、使われているコードの感度解析を行うだけで、別の解析コードを用いたクロスチェック解析をやらない理由を聞きました。

 

・規制庁側の回答は、クロスチェック解析については、個別の炉ではなく、代表炉において実施している。設計基準事故と違い、重大事故は不確かさが大きく、振れ幅が大きいことから、事業者と同じパラメータを用いたクロスチェック解析だけでなく、さまざまな総合的な観点からチェックを行う必要がある。というものでした。

 

・他にもチェックが必要だというだけでは、クロスチェック解析をやらない理由になりません。やらない積極的な理由は何か尋ねたのですが、返事はありませんでした。また、福島で現に重大事故が起きた以上、設計基準事故と別もののように扱うことはできないのではという指摘もありました。

 

◆汚染水対策を考慮しないのは基準違反ではないか

 

・福島で発生しているような汚染水事故について、適合性審査で対策をとらせないのは、新規制基準55条…格納容器の破損に至った場合等において「工場等外への放射性物質の拡散を抑制するために必要な設備を設けなければならない」という要求に反しているのではないかという問題について議論しました。

 

・格納容器上部が破損して気体状の放射能が拡散することの防止策は検討しているのに、福島で実際に起きているように、格納容器下部が破損し、ここから液体状の放射性物質が漏れ出て、汚染水となって拡散する状況については、全く考慮されていません。

 

・ずいぶんとやり取りをしましたが、結論的には、規制庁は、55条が必ずしも気体と特定したものではないと認めた上で、特定原子炉についての対応をするとの従来の説明をしましたが、上記の規則の要求に反しているのではという指摘に答えることができず、持ち帰りとなりました。

 

◆老朽化は考慮されていない

 

・川内原発は30年選手ですが、新規制基準は、原発が新品であることが前提であり、老朽化は全く考慮されていないことが確認されました。そうなると30年経つまでに実施が義務付けられている高経年化技術評価が問題になります。1号機について昨年12月に提出されていますが、規制委で審議の途中です。中には疲労破壊ぎりぎりの箇所もあると井野さんが指摘しました。

 

・規制庁の回答は、高経年化技術評価では、今後の運転の可否は問題にはならない。だから再稼働とは関係がないというものでした。それでは安全の確保はできないではないかと声があがりました。

 

他に、基準地震動で武村式を用いると地震モーメントが約4.7倍となるのにこれを用いた評価を実施しておらず、地震モーメントを2倍にしただけで審査を済まそうとしている問題、適合性審査は、もともと、審査書と保安規定と工事認可の3点セットだったのに、審査書だけでは、方法の中身や審査の根拠が不明の場所が多く、これだけをパブコメにかけるのは問題だといった点についてやりとりがありました。パブコメについて、慎重な審査を実施した上できちんと反映するよう求めて終わりました。

 

原子力規制を監視する市民の会 阪上 武

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