川内原発火山:政府答弁書…巨大噴火前兆の把握ができない可能性を認める

 川内原発の火山審査については、桜島を含む姶良(あいら)カルデラ等、周辺のカルデラにおける巨大噴火による火砕流の影響が懸念されるが、現状の審査で問題なのは以下の三点である。

 

1.規制委・規制庁は、火山学者抜きで審議をしており、特に、巨大噴火の可能性が十分に低いかという論点については、ほとんど議論がなく、九州電力の主張がそのまま素通りとなっていること。

 

2.火山影響評価ガイドは、その場合でも、モニタリングと兆候把握時の対処方針の確立を審査通過の条件にしているが、このうち兆候把握時の対処方針について、規制委・規制庁側の判断基準を明らかにするために有識者会合を設置するとしているが、これを審査とは切り離し、審査後の中長期的な課題だとしていること。

 この場合、兆候把握時の対処方針については、審査ができないはずだが、それでも審査を強引に通してしまおうというもので、自ら定めた火山影響評価ガイドにも反する。

 

3.そもそも巨大噴火の兆候の把握が可能なのかという点について、火山学会原発対応委員会や火山噴火予知連を含む多くの火山学者が疑問の声をあげていること。

 

 このうち3.に関わる問題で、政府の重要な見解が示された。川内原発の火山リスクに関する福島みずほ議員の質問主意書に対する答弁書で、政府は、巨大噴火について、その兆候が把握できない可能性を正直に述べている。

 答弁書は「巨大噴火については、その前兆を捉えた例を承知していないが、一般論としては、噴火の規模によっては、地下からのマグマの供給量が大きく増加すると考えられるところ、地殻変動等の監視を行うことにより、噴火の前兆を捉えることが可能な場合もあると考えられる。」とある。

 マグマの供給量の増加については、イタリアとアメリカの二例について岩石学的な研究結果があるだけで、九州の火山が同じ状況であるのかは全く不明だ。3月の適合性審査会合で、規制委島崎委員長代理は、日本の例ではないことを問題にし、これに対し、九州電力は調査の準備をしていると回答した。しかしその後2ヶ月近く経過するが、なんの音沙汰もない。

 「前兆を捉えることが可能な場合もある」ということは、当然のことながら、「前兆を捉えることができない場合もある」ということだ。兆候の把握が不可能な場合があることを認めるのであれば、原発の立地評価は、地震と同様に、活動性と影響の大きさだけで判断すべきで、川内原発の場合、桜島を含む姶良(あいら)カルデラの活動性については、3万年前の巨大噴火や現在の活動の事実からしても疑う余地はなく、3万年前の巨大噴火の際に火砕流が原発に届く可能性が確認されている。この二つをもって、川内原発は、立地不適にすべきだ。

 

川内原発火山:質問主意書
川内火山・質問主意書.pdf
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川内原発火山:政府答弁書
川内火山・答弁書.pdf
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