【傍聴】第9回地震・津波に関わる新安全設計基準に関する検討チーム会合

東京の杉原浩司(福島原発事故緊急会議/緑の党 Greens Japan)です。
[転送・転載歓迎/重複失礼]

 

13日(水)17時30分から行われた「地震・津波に関わる新安全設計基準に関する検討チーム」第9回会合を傍聴しました。今回は1,541件寄せられたパブコメ(意見募集)結果の扱いがメイン議題でした。配布資料は以下から見られます。
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/shin_taishinkijyun/20130313.html

 

その中でパブコメ意見の要約と事務局の考え方は以下にあります。

新安全基準(地震・津波)骨子案に対する意見募集の結果についてhttp://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/shin_taishinkijyun/data/0009_02.pdf

字句修正のみで、内容に関する意見をまったく無視して強引に決められた「原子力災害対策指針」の対応に比べると、内容に関わる修正も一部行われており、検討チームメンバーの意見も出されるなど、よりましなものではありました。

しかし、骨格となる点についての修正(例えば、活断層の定義の基準を「40万年前以降」とすべき、など)は行われず、会議で出た意見もほぼ反映されませんでした。会議前に結論は出ていた印象です。

 

原発、意見公募で大幅変更せず 地震・津波新基準(3/13、東京)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013031301001858.html

 

その中で重要だと思われたやり取りを紹介します。利益相反組である元電力中央研究所の谷和夫氏(防災科学技術研究所)が、「工学的な計算により予測されるずれが小さければ、建屋以外の重要施設は活断層の真上でも大丈夫」との持論に基づいて、懲りずに主張したものの、和田章氏(東工
大)や島崎邦彦委員(&傍聴者)にたしなめられた場面です。また、その後で鈴木康弘氏(名古屋大)が、大きな焦点である活断層の定義に関して、マニュアルで基本的には40万年前まで遡って見るとしっかり書くべきだと強調しています。この点は今後の大きな注目点です。

なお、鈴木氏はマニュアル案の作成が事務局の規制庁とJNES(原子力安全基盤機構)の手に委ねられていることに疑問を呈し、「(マニュアルの)検討のやり方についても、問題提起される人を組み込んでいくべきでは」と提案しました。

しかし、島崎委員は取り入れようとしませんでした。

その他には、「使用済燃料を冷却するための施設がBクラスになっているが、福島事故を踏まえてSクラスにすべき」とのパブコメ意見について、JNESの高松直丘・耐震安全部次長が賛同表明し、和田章氏も同調しましたが、これも受け入れられませんでした

また、傍聴者からは、東電福島第一原発の国会事故調による調査に対して東電が虚偽説明した件に関して、「原因調査なしに基準などあり得ない、すぐに調査すべきだ」との声が繰り返し上がっていました。

 

★私が聞いたハイライト部分の概要文字起こし
=以下のUstream録画の1.11.00~1.20.00頃の約9分
http://www.youtube.com/watch?v=_nkIjj8bCZA&list=UU5_urTtPY2VjNc1YOI4rBCg

【谷和夫】
毎回同じところで恐縮ですが、パブリックコメント3ページの意見7つのマルでまとめたもののうち、下の4つ(注:上記「結果について」の3ページの枠内を参照)は私が前から申し上げていることとまったく同じ内容です。
これは明らかにプロの専門家の意見です。それに対する考え方の部分で、「予測は困難であるとあるが困難にも程度があるし、設計の妥当性の実証の困難さ、これも出来るものと出来ないものがあるわけです。非常に大きい断層変位の場合には、今日の参考資料にあるように極めて延長の長い活
断層で、私が前回の会議のときに出したように、延長の長いものには立地制約をするとすれば、これに対する被害は十分に防げるわけです。しかし、現在骨子案に出ている「将来活動する可能性のある断層などの」っていうと極めて小規模なものも含めてすべて適用されると。ですから私はここは
2つに分けて、同じ意見を申し上げていますが、大きいものについては立地制限、小さいものについては工学的対応が十分可能ですし、設計の妥当性も実証の困難さもない。

【傍聴者】
責任取れるんですか、あなたは。蒸し返すべきじゃない。

【谷和夫】
パブリックコメントで私と同じような意見が出ているわけですから、もう一度考え直してほしいということを申し上げているわけです。

【傍聴者】
責任とれるんですか、あなたは。

【谷和夫】
立地制限については大きいものについては立地は制限する、小さいものについては十分対応できる可能性もありますし、施設の要求性能に応じては十分対応できると。

【傍聴者】
安全神話じゃないか、それは。

【谷和夫】
このルールが既設のものに適用されたときに、国民に「この施設はだめなんだ」と言うときには「こんなに安全でないからだめなんだ」ときちんと説明すべきだと思う。このままでは説明しないまま、だめなものはだめなんだとなってしまい、国の対応として説明不足だと思います。

【島崎邦彦】
いろいろ意見がると思いますが、最後の点については、むしろ事業者さん側が安全であることを証明すべきだと思う。論理が逆だと思います。

【和田章】
いまボスポラス海峡に日本の建設会社がトンネルを作っていますが、谷先生が言うようにもし断層が来たら、トンネルに水が入ってこないようにと。
けれどもそこを100キロや200キロで走っている車は、たぶんおかしなことになると思うんですよ。水が入ってこないだけで。ですから、先生の考えていることと、原子力発電所、たまたま1台や2台、10台の車がおかしくなってトンネルそのものは救えるっていうような研究と原子力をあんまり混
ぜこぜにしない方がいいと私は思います。

【鈴木康弘】
活断層の定義ですが、私は40万年前と書いた方がすっきりするという意見で、それに賛同される意見も出ていますが、あえて繰り返しません。議論の中でも確認されていたように、マニュアルにしっかり書くというのが非常に重要だと思います。基本的には40万年前以降に動いていれば、それは一般的に活断層という範疇に入るわけで、40万年前まで遡って調べるというのが例外ではない。今の文言ですと、後期更新世の活動性が明確に判断できない場合には調べろ、となってますが、そうではなくて、基本的にはそこまで見るんだということをマニュアルにきちっと書くということだったと思いますので、そこが保証されるという前提で、40万年前以降にした方がいいという意見については特にもう一度繰り返さないつもりです。ちなみに12万年前以降、そういう場合に動いていないことを証明せよというのが今の考え方になっていて、それはアメリカのNRCの、基本的には古いところまで見て、きちっとそれが活断層じゃないことを証明しなさい、と言っている考え方とも合致しているので、マニュアルにここは明確に書いていただきたいと改めて思います。

 

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