【緊急声明】原発新安全基準(原子力規制を監視する市民の会・新安全基準プロジェクト)

【緊急声明】新安全基準に関する声明 2013.2.1(原子力規制を監視する市民の会・新安全基準プロジェクト)
新安全基準に関する声明2013.2.1(原子力規制を監視する市民の会・新安全プロ
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201321

原発「新安全基準」の検討について[声明]

原子力規制を監視する市民の会

 

 原子力規制委員会は、「発電用軽水型原子炉の新安全基準に関する検討チーム」等において、原発「新安全基準」の策定作業を急いでおり、昨日には骨子案を固めた。来週にも2週間という非常に短い期限のパブリックコメント実施が予定されている。

 「新安全基準」は、原発再稼働の前提となるものであり、住民や一般市民の命や生活に関わる非常に重要なものだ。しかし、利益相反が問題となっている学者や原子力関係者の非常に限られた数人の間だけで検討され、しかも議論が煮えきらないうちに議事を次々と進め、結論を急いでいる。「本来5年はかかる」(更田委員)ものをほんの数ヶ月の検討で骨子案をまとめるという強行スケジュールだ。骨子を急ぐのは、電力会社が改造工事にとりかかれるようにする措置ともいわれる。現に東電などは、柏崎刈羽原発において、フィルタ付ベントの工事を進めている。

検討の過程で批判的な専門家は排除されており、住民や福島原発の被災者からのヒアリングもない。その一方で、電力会社からのヒアリングだけは実施し、実質的な事前審査の場となった。問題が配られる前に、答え合わせするというサービスぶりだ。このような検討のやり方は直ちに改めるべきだ。また、私たちが住民への説明会を求めると、原子力規制庁から、議員には説明するが市民に説明するつもりはない旨の回答があった。許されざる姿勢だ。原子力規制委員会・規制庁は説明責任すら果たしていない。

骨子案の中身についても問題だらけだ、福島原発事故の検証が不十分な状況で、設計には手をつけず、シビアアクシデントに対しては、移動式(可搬式)の施設による対応で再稼働を許すなど、大飯原発の再稼働のときと同様に、時間のかかる方策を後回しとし、電力会社に都合がいいものとなっている。

福島原発事故における格納容器の破損状況が不明な状況で、特に沸騰水型原子炉の格納容器について、容量、強度が小さい、圧力抑制プールの容量が小さいなど、事故以前から指摘されていた設計上の構造的欠陥について、検討の対象にすらしていない。

 特定安全施設については、航空機テロ対策とされ、肝心の地震・津波への対応は、目的から外された。事故時にすぐに必要な高圧注水系はなし、耐震も本体並みということになってしまった。原子炉本体から100メートル以上離すことにより、配管が長くなり、地震・津波時には全く使えないおそれもある。しかもこの施設の設置は後々でよいという。福島原発事故の教訓はどこへいったのか。

地震・津波は原則可搬施設で対応するというが、可搬式の冷却装置などは接続に10時間もかかり、役に立たないことは、ヒアリングの際に電力会社自身が吐露している。委員からも何度も指摘があったが無視されている。

 フィルタ付ベントについて、電力会社はベントの効果を強調する。ベントは圧力、熱、水素を逃がす上で便利な装置かもしれない。しかし、本来穴があってはならない格納容器にわざわざ穴を開けるもので、フィルターをつけたところで、放射能の大量放出は避けられないものだ。設置したとしても、これに期待するような対策であってはならない。

新安全基準については、以下に具体的に挙げるように、その検討のあり方についても中身についても問題があり、検討を一からやり直すべきである。

1.検討の進め方があまりに拙速である。一旦検討を止め、検討状況や論点について説明の場をもち、時間をかけて広く専門家および国民の意見を聞く機会を設けて検討すべきである 

2.利益相反が問題となっている専門家を外部有識者から解任すべきである。検討チームのほぼ全員を原子力関係者と利益相反が問題となる専門家で占めているという状況は問題があることから、構成メンバーを見直すべきである。

3.新安全基準の検討の前提となる福島原発事故の検証が不十分であることから、基準の策定よりも、地震による影響、溶融燃料の状況、格納容器破損の状況などを把握し、事故の全容を解明することを優先すべきである。

4.格納容器の大きさや強度、圧力抑制プールの容量などについて、設計変更の必要性についても検討すべきである。

5.従来の設計事象だけでなく、シビアアクシデントについても、設計事象に含め、設計基準として対処してすべきである。

6.可搬施設は、接続に時間がかかる、地盤の変形により移動ができなくなる可能性がある、地震や高線量下で作業が困難となる可能性がある等の問題があることから、代替設備については恒久施設を必須とし、更に信頼性を向上させるために可搬施設を要求すべきである。

7.フィルタ付ベントについて、これの使用は放射能の大量放出を伴うことから、これを使わないことを前提に事故対応をさせるべきである。

8.特定安全施設については、地震・津波への対応について検討し直すべきである。耐震性が本体施設と同等では意味がない。

9.福島原発事故レベルの事故だけではなく、それを超える事故についても想定すべきである。シビアアクシデントの六大事故について、全電源喪失下での冷却剤喪失事故など、同時に複数の事故が進行する可能性についても考慮すべきである。

10.火災対策について、可燃性ケーブルの使用状況を確認し、使用の疑いがあれば直ちに運転を止めさせるべきである。

11.多重性について、平成2年以前の炉に対して多重性の不備を容認する例外規定を外し、稼働中の大飯3・4号機については、直ちに対処させるべきである。

12.外部電源の信頼性確保のため、変電所や送電線設備の耐震クラスをクラス1に引き上げ、変電所の耐震性や送電線鉄塔の地盤変形による倒壊の可能性についても確認すべきである。

13.現行の指針の原則となっている単一故障の想定では不十分である。共通要因故障の想定を原則に対策をとらせるべきである。

14立地審査指針について、具体化した上で法制化を検討すべきである。集団被ばく線量を放出放射能の総量で置き換えるようなことはやめるべきである。

連絡先: 090-8116-7155 阪上(原子力規制を監視する市民の会)

 

コメント: 1 (ディスカッションは終了しました。)
  • #1

    山辺真一 (日曜日, 10 3月 2013 18:09)

    福フクシマ最大汚染の原因、2号機の破損は製造物責任に問われるものではないのか?
    地震動に起因する重要機器の破損の可能性として、「潜在破口冷却材喪失損傷」の可能性を指摘したい。
    即ち、シール締結ボルト類が「余力」を失うことにより、低圧で静的な状態において破口が観測されず、内圧が上昇した場合及び地震動等外力が加わった場合に、破口冷却材喪失(又は内圧気体が漏えい)し、再び低圧で静的な状態に戻れば潜在破口に戻る復元力を残したシール不全破損の状態を予断するべきと考えます。

    3-1.2号機潜在破口の検証(参照:東電事故調報告書-本編添付8-12)
    1)添付8-12 (3/12-3/13)RCICが機能し水位が安定している中、原子炉圧力H部分はSRV設定圧力以下で当初下降し5MPaに至らず反転上昇し6MPaを超えたところから漸減している。同時期にD/W圧力が漸増しているところから、炉内苛酷状態の以前から5MPaを超える耐力を失った、地震動に起因する「潜在破口シール不全破損」の可能性がある。
    2)添付8-12 (3/14 14:00)D/W圧力(及び連通するS/C圧力)は設計圧力に至る前に漸減を始めている。以降、S/C圧力は漸減を続け(-3/15 6:00)圧力計ダウンスケールに至る。地震動に起因する「潜在破口シール不全破損」の状態から、連続した(又は繰返しの)シール不全破損の塑性的限界で破口が常態化した可能性がある。又はS/C支持部材の座屈等、地震に起因するハードウエアの損壊がシール引き金になった可能性もある。

    3-2.2号機の原子炉の減圧以降の考察(参照:東電事故調報告書-本編添付8-12)
    1) 添付8-12 (3/14 22:00-)D/W圧力F部分の上昇とその保持状態は現場に危機感を募らせた。又そのことによりS/C圧力のゲージ不信を招いている。D/W、S/Cの圧力差がありえないならD/Wゲージを疑う可能性もある。SRVの開(炉内減圧)に影響する増圧を表示せずに(S/Cゲージの記録が無い)受動漏えいの可能性が下がった時期に2倍値に急増していること。炉内圧力に引っ張られているように見えて炉内圧力のスパイクに反応していない。 (-3/15 6:00) S/Cの破口に反応せず高圧表示を保ち、(3/15 11:00-)以降の表示は炉内圧力と絶対値が近似し、同じくするはずのS/Cの破口常態化の圧力を表してはいない。比べてS/Cゲージは記録の残る部分の挙動に錯乱はなく、S/Cの破口の物理的な影響と思われるダウンスケールで終わっている。
    2) 添付8-12 (3/14 12:00-)G部分に並行して行われた格納容器ベントは人為バルブラインが開構築されてもラプチャーディスクを破るに至らなかった。その結果を勘案すると、S/Cトーラスは地震動に起因する「潜在破口シール不全破損」の状態にあり、圧力容器からの長時間漏えいやSRVベントガスを受けたものの圧力上昇に応じた自らの破口漏えいで均衡漸減を保ち、設計圧力に達することなく破口常態化に至った可能性がある。
    3) 添付8-12 (3/15 6:12-14)4号機の原子炉建屋爆発が記されており、3号機ベントガス起因説がある。3/14に既にベントによる水素爆発を起こしベントガスルートが上方に解放されてしまった3号機から新たにベントがあったとしても4号機建屋内に爆発濃度で供給されることは考えにくい。(-3/15 6:00) S/Cの破口に至る2号機の漏えいガスはトーラス室、建屋地階に充満し、濃度を保ちながら(3/15 6:12-14)4号機の原子炉建屋爆発に起因した可能性は否定できない。
    3-3.2号機の破損に至る格納容器ベント系設計上の考察
    圧力容器ベント系は人為逃がし弁機能と自動安全弁機能が並列に設けられている。(一体型SRV)
    格納容器ベント系は人為逃がし弁機能と自動安全弁機能(ラプチャーディスク)が直列に設けられている。
    ・人為が及ばない設計圧力過剰を最後の命綱-自動安全弁としてベントを期待するのに、苛酷事故によってままにならない人為バルブを(開)作業をして行かなくてはラプチャーディスクに導けない。最終致命傷を防ぐのに人為判断、人為作業の必要な関門はいらない。
    ・圧力容器の過酷状態を脱出するために、SRV逃がしの受け皿として(必ずしも設計圧力近傍でなく)格納容器をベントしておく試みをラプチャーディスクが阻んだ。並列であったなら作業者が早い段階で、予防安全でより低圧でベントを成功させ、SRV逃がし弁作業に臨めた。結果、(-3/15 6:00) S/Cの破口に至らず放射能拡散は2桁下回り、福島の汚染状況は極めて限定的であった可能性がある。
    ・今回汚染の大半である主犯ガスが漏えいしていたメカニズムの設計的要因と言える。

    ハードウエアの損傷は必ず痕跡を残す。今すぐにでも調査ができる。
    又、設計思想及びメカニズムに対する見解を製造メーカに糺す必要がある。
    1.5号機のシビア部位、1~3号機の近付ける可能な限りシール締結ボルトを採取し伸び、疲労の分析をする。
    2.事故原因分析に有効な「故障の木解析」に「潜在破口冷却材喪失(圧力の関数)」を付け加え損傷可能性の部位を絞り込み、調査部位との対比関係付けを行う。
    3.解体ロボットの先駆けとなるボルト回収調査ロボットでさらに真相に迫る。
    4.「弾性余力」に40年経年劣化、放射線劣化の知見を加える。
    5.柏崎刈羽原原発に遡り、地震耐力を時系列に検証し、今後の原子炉安全基準に歯止めをかける。
    福島原因究明、真実を見据えてこその安全基準。

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